目次
- 0話 或る魔術師
- #00-1
- #00-2
- #00-3
- #00-4
- 1話 異邦の少女
- #01
- #02
- #03
- #04
- #05
- 2話 自称、ヤブ
- #06
- #07
- #7.5
- #08
- #09
- #10
- 3話 異端の獣
- #11
- #12
- #13
- #14
- #15
- 4話 眠れぬ夜のゴースト
- #16
- #17
- #18
- #19
- #20
- #21
- 5話 白き影
- #22
- #23
- #24
- #25
- #26
- #27
- 6話 影の支配者
- #28
- #29
- #30
- #31
- #32
- #33
- 7話 壊れ、移ろう
- #34
- #35
- #36
- #37
- #38
- #39
- 8話 邂逅
- #40
- #41
- #42
- #43
- #44
- 9話 それぞれの矜持
- #45
- #46
- #47
- #48
- #49
- #50
- 10話 澱める風
- #51
- #52
- #53
- #54
- #55
- #56
1話 異邦の少女(4/5)
<ヒソゥの森 魔術師たちがいた場所>
…あれェ?
そろそろ弱ってる頃だと思ったのに…誰もいないっすね。
森をさまよう標的が居たはずの場所に足を運び、
見落としが無いか辺りを入念に見渡す。
すると覚えのない燃え跡を見つけた。
え~? 逃げられた??
寝て待ってたのがまずかったかぁ。
(幻術を見破れてるようには見えなかったっすけどね、あのコ)
色々と疑問は浮かぶが、
一度捉えていた標的を逃した事実は変わらない。
今 重要なのは、その結果だった。
顎に手を当て、思考に耽る。
(前だって道案内人を差し出して我慢してもらってたのに…"あの人"にノコノコと報告に戻っても、俺も同じ末路かもしれないっす。
それなら―――)
人生の主役は俺!
さっさと逃げるに限るっすね!
誰ともなく宣言すると、
男は迷いない足取りでその場を後にした…。