目次
神経魔術師バナー
飾り線

1話 異邦の少女(5/5)


<ニィーギ平原 ヒソゥの森付近>

ミオラ

で……っ

ミオラ

出られた~…!

木々ばかりだった景色が開け、
視界に青々とした平原が広がっている。

森を抜けた実感から、安堵で胸をなでおろした。

魔術師

よかったな、たまたま俺が通って

ミオラ

はい!
森に向かう前にも、道案内できる人が居ないって聞いていたので…。
魔術師さんが道を覚えていてよかったです!

魔術師

あんた その話を聞いてて森に行ったのかよ…。

ミオラ

ち…違うんです!
いざという時は、森で採集すれば食いつなげると思って!

ミオラ

でも…、あんなに食材も、獣も見当たらないなんて…。

魔術師

(森慣れしてるからって高を括ってたんだろうな。
実際はそれだけじゃないんだが)

魔術師

まぁ無事に出れたんだから よかったんじゃねぇの。
今回で 森にも色々あるってわかっただろ。

ミオラ

そう…ですね!
それもあなたが ご飯を分けてくれたおかげです!
あっ、そういえば 申し遅れましたが私は―――

魔術師

じゃ、もう元気そうだし俺はこれで。

ミオラ

え。
*返事を待たずに すたすたと歩いていく相手に駆け足で追いついて*

ま、待ってください! 

ミオラ

魔術師さんもお一人で、クルムラドを目指してるんですよね?
それなら一緒に行動した方がよくないですか?!

魔術師

断る。俺はソロ専門なんだよ

ミオラ

そこをなんとか!
魔術師なら前衛は居て困らないはずですし…。
ヒソゥの森には遅れをとってしまいましたが、腕には自信がありますから!

魔術師

(コイツ…。
思ったより図太いヤツだな……。)

魔術師

(だが…、コイツの言ってることも一理あるか。
それ以上着いてくるようなら、いつもみたいに アレを使って撒けばいい)

魔術師

…わかった。
足手まといなら置いてくが、それはそっちも同じってことで。

ミオラ

! ありがとうございます!
改めて、私はミオラと言います。
えーと…

魔術師

名乗るほどのモンじゃねーよ。
好きに呼べ。

ミオラ

はい!
よろしくお願いします、魔術師さん!