4話 眠れぬ夜のゴースト(2/6)
<同日 宿の一室にて>
ふあ……
はよっす、魔術師さん。
遅起き同士、精が出るっすねー。
んあ。
なんすかその顔
(そうか、コイツと割り勘して部屋取ったんだったな)
いや…なんでもない。
ならよかった。
寝ぼけて追い出されでもしたら堪んないっすからねー。
遅起き…ってーと、ミオラはもう出たのか。
それなんすけど―――
ヤブが言葉を続けようとしていたところに、
足音が近づいた後にノックもなく扉が開かれた。
ヤブさん、
"楽で羽振りのいい依頼"を持ってきましたよ!
あっ。
楽で羽振りのいい依頼ってなんだ???
いや、ミオラちゃんにとってのそれがどんな依頼なのか、ちょっと知りたかっただけでですね
依頼を取ってくるの丸投げしてるだけだろ
まぁまぁ。
お二人共朝に弱そうですし、依頼を取りにいくのは早起きが得意な私に任せてください!
ほらー、ミオラちゃんもこう言ってますし!
適材適所っすよ。
調子のいいヤツ…。
で、今回の依頼は?
『ゴースト退治』です!
は?
え。
内容を見る限り、依頼人さんは本気で困ってるみたいですよ。夜になると肌寒くなるとか、ずっと何かしゃべってるから眠れないとか!
大丈夫っすかそれ、行ったら怪しげな団体に勧誘されないっすか?
どっか隙間風吹いてるとか、酔っぱらいが居座ってたとかそういうオチじゃねーの
(二人共辛辣…)
信じられない気持ちはわかりますけど…。
要は原因を突き止めるなり、私達が相談に乗って安心させればいいってことですよ!
まぁそれもそうっすね。
3人山分けで5,000Gは中々の良さっすし!
羽振りが良すぎるとそれはそれで気になるが…まぁビビッても始まらないしな。
ミオラのお手柄依頼で、PT組んでの初仕事と行きますか。