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4話 眠れぬ夜のゴースト(2/6)


<同日 宿の一室にて>

魔術師

ふあ……

ヤブ

はよっす、魔術師さん。
遅起き同士、精が出るっすねー。

魔術師

んあ。

ヤブ

なんすかその顔

魔術師

(そうか、コイツと割り勘して部屋取ったんだったな)
いや…なんでもない。

ヤブ

ならよかった。
寝ぼけて追い出されでもしたら堪んないっすからねー。

魔術師

遅起き…ってーと、ミオラはもう出たのか。

ヤブ

それなんすけど―――

ヤブが言葉を続けようとしていたところに、
足音が近づいた後にノックもなく扉が開かれた。

ミオラ

ヤブさん、
"楽で羽振りのいい依頼"を持ってきましたよ!

ヤブ

あっ。

魔術師

楽で羽振りのいい依頼ってなんだ???

ヤブ

いや、ミオラちゃんにとってのそれがどんな依頼なのか、ちょっと知りたかっただけでですね

魔術師

依頼を取ってくるの丸投げしてるだけだろ

ミオラ

まぁまぁ。
お二人共朝に弱そうですし、依頼を取りにいくのは早起きが得意な私に任せてください!

ヤブ

ほらー、ミオラちゃんもこう言ってますし!
適材適所っすよ。

魔術師

調子のいいヤツ…。
で、今回の依頼は?

ミオラ

『ゴースト退治』です!

魔術師

は?

ヤブ

え。

ミオラ

内容を見る限り、依頼人さんは本気で困ってるみたいですよ。夜になると肌寒くなるとか、ずっと何かしゃべってるから眠れないとか!

ヤブ

大丈夫っすかそれ、行ったら怪しげな団体に勧誘されないっすか?

魔術師

どっか隙間風吹いてるとか、酔っぱらいが居座ってたとかそういうオチじゃねーの

ミオラ

(二人共辛辣…)
信じられない気持ちはわかりますけど…。
要は原因を突き止めるなり、私達が相談に乗って安心させればいいってことですよ!

ヤブ

まぁそれもそうっすね。
3人山分けで5,000Gは中々の良さっすし!

魔術師

羽振りが良すぎるとそれはそれで気になるが…まぁビビッても始まらないしな。
ミオラのお手柄依頼で、PT組んでの初仕事と行きますか。