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5話 白き影(1/6)


ローサ

…ふぅ。
これで窓はピカピカに――

キャロ

お疲れ様、ローサ。

ローサ

!!

ディム

ほんと掃除だけはまともにできるよなー

ローサ

キャロ様、ディム様…。

ローサ

…あの人達、もう死なせちゃったんですか?

ディム

いや、まだだよ。
昼間にやったらデコイも幽霊っぽくないし、暗がりの方がバレずにすむだろ?
そんなこともわかんねーワケ?

ローサ

い、いえ……っ!
ただ…、キャロ様たちがわざわざ人とお話しをしてるのが珍しかったので…。

ディム

んー。
死ぬ前にボーケンシャに興味あったのはほんとだし。
テキジョーシサツは大事だからな。 ねーちゃんはそうだろ?

キャロ

…そうね。
彼らはまだ、私達のような相手を対処した経験は無さそうだったから…。 問題なくいけると思うわ。

ローサ

…………。

ディム

なんだよ、不満そうだな

ディム

オマエはオレたちの言うことを聞いてりゃいいんだよ。
他の召使い達みたいになりたくないだろ?

ローサ

ひ……っ!!

ディム

…なーんてな! まだオマエは生かしてやるって。
アイツらの身体をもらった後の面倒を見る仕事があるからな!

ディム

でもどっちにするかなー。
あのにーちゃん達、どっちも弱っちそうだよなー…

キャロ

ディムは選べるだけ良いでしょ。
私はあの女の子の身体になってから、剣士の動きができるか自信がないわ…

ローサ

…………。

話しながらその場を立ち去る姉弟を
ローサは見送る。

彼らが廊下を曲がって姿が見えなくなり、
声も届かなくなると、
両手がぶるぶると震えだした。

ローサ

……どうして、こんなことになっちゃったんだろう。

ローサ

ごめんなさい、冒険者さん……。