- 0話 或る魔術師
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5話 白き影(1/6)
…ふぅ。
これで窓はピカピカに――
お疲れ様、ローサ。
!!
ほんと掃除だけはまともにできるよなー
キャロ様、ディム様…。
…あの人達、もう死なせちゃったんですか?
いや、まだだよ。
昼間にやったらデコイも幽霊っぽくないし、暗がりの方がバレずにすむだろ?
そんなこともわかんねーワケ?
い、いえ……っ!
ただ…、キャロ様たちがわざわざ人とお話しをしてるのが珍しかったので…。
んー。
死ぬ前にボーケンシャに興味あったのはほんとだし。
テキジョーシサツは大事だからな。
ねーちゃんはそうだろ?
…そうね。
彼らはまだ、私達のような相手を対処した経験は無さそうだったから…。
問題なくいけると思うわ。
…………。
なんだよ、不満そうだな
オマエはオレたちの言うことを聞いてりゃいいんだよ。
他の召使い達みたいになりたくないだろ?
ひ……っ!!
…なーんてな! まだオマエは生かしてやるって。
アイツらの身体をもらった後の面倒を見る仕事があるからな!
でもどっちにするかなー。
あのにーちゃん達、どっちも弱っちそうだよなー…
ディムは選べるだけ良いでしょ。
私はあの女の子の身体になってから、剣士の動きができるか自信がないわ…
…………。
話しながらその場を立ち去る姉弟を
ローサは見送る。
彼らが廊下を曲がって姿が見えなくなり、
声も届かなくなると、
両手がぶるぶると震えだした。
……どうして、こんなことになっちゃったんだろう。
ごめんなさい、冒険者さん……。